シンプルな外観とシックな内装
主張しない高級感をテーマにした店舗 有名ホテルやフレンチの名店でパテシェとして経験を積んだオーナーが独立し、地元常滑にオープンした「パテスリー・ホウリュウ」。閑静な住宅地にマッチするようにと掲げたテーマは「主張しない高級感」でした。外壁に使ったのはアイカ工業のジョリパット。サイディングのような継ぎ目が無く、マット調の無機質な風合いが特徴の素材で、色決めの際には、大判サンプルを取り寄せ、光を当てて見比べながら選び抜きました。


シンプルな白亜の外壁を印象深く引き立てているのが水色の両開き扉。これは大型の厨房機器の搬入はもちろん、将来のメンテナンス時のことも考え、出し入れしやすいサイズを確保しました。そして入り口へのアプローチは、向かって左側を階段に、右側をスロープとし、階段側にはＲ状に加工したアイアンの手摺りを設置。さらにこのアプローチを強調するように、前面に風合いのある古材を敷き詰めビンテージ感を演出しました。通りからの目線でも円形がくっきり見えるよう傾斜を付け、建物の一部のような一体感で出迎えてくれます。

店内は華美な装飾を避け、ドイツ製の木サッシや天井の梁などで味付けするも、全体的にシックな内装に仕上げています。床は売り場側に石調のタイルを張り、イートインスペースは粉塵防止剤を塗布したコンクリートを施しました。また、店内でくつろぎたいお客様を想い、売り場とイートインを隔てる壁に高さ160㎝ほどのくぐり穴を設け“隠れ家”的な落ち着いた空間を作り出しました。