機能性とプライバシーにこだわって
増改築した3世帯住宅 5年前にリフォーム済みの母屋の横に建つ祖父母の平屋住宅を解体し、2階建て住宅に造り直したI様邸。同じ敷地内に3世帯が暮らすだけに、素材選びから間取り・設備まで、互いのプライバシーや生活スタイルを尊重する独立型の設計を施しました。まず母屋と隣接する壁はロックウールという防音素材を使用。１階には母屋との行き来ができる通用口を設けるも、将来的には母屋の２階LDKともつなげられるよう、天井や床の高さを揃え２階にLDKを持って来ました。実はこの増築で最も気を使ったのが、母屋との境目の防水処理。平屋を壊して新しい壁をくっつけるため、少しの隙間や亀裂がトラブルを招きかねないため慎重に施工しました。

内装においてI様の趣味やこだわりが強く表現されたのは、やはり2階のLDK。床はブラックチェリーの無垢材を使用し、建具は全てオーダーメイドで設えました。東側の壁には、遠くに見える山々と空の景色を映し出せるようにと、大きめの窓を設置。外から覗かれないよう、高さ130㎝にしてあるのもポイントです。さらにその窓下には、低めのダイニングテーブルにしたいというご希望に合わせ、カウンターも設置しました。


キッチン奥には、パントリーとは別に飲食店さながらの洋酒棚とワインセラー。リビングのTVボードは、表側を壁掛けTVとスピーカーの棚のみで、各種デッキや配線コードなどは全て裏側に収まるオーダー家具にしています。また高い天井を、より高く見せる工夫として間接照明付きの掘り込みを施すなど、落ち着きと開放感の両方をかなえる空間が実現しました。